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第11回東京大学学生発明コンテスト

ポスター

第10回東京大学学生発明コンテストポスター

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審査結果・講評

審査結果概要

第11回東京大学学生発明コンテストには、18名から21件の応募がありました。まず、書類選考により、応募された21件を9件に絞り込み、その後、プレゼンテーション審査により、発明大賞1件、産学協創推進本部長賞1件、生産技術研究所長賞1件、アイデア賞1件、奨励賞3件を選定しました。

審査委員長講評

第11回学生発明コンテストは4年ぶりの開催となりました。4年前の第10回は産学連携本部、(財)生産技術研究奨励会との共催でしたが、学内の組織改編に伴い、今回は産学協創推進本部と(一財)生産技術研究奨励会との共催となりました。久しぶりの開催とあってか、18名から21件の応募がありました。

第1次書類審査においては生研内で簡易的に先行事例調査を行い、先行事例との差違や新規性・進歩性、本人の寄与率等を総合的に検討して9件に絞り込みました。最終審査においては、自分の発明をわかりやすく紹介するとともに、書類審査結果通知時に送付した先行事例とどこが違うのかというディフェンスも含めた発表をお願いしました。さらに、書類審査通過案件については弁理士事務所に先行事例の調査をお願いし、応募された発明の新規性を否定する文献の有無を判定してもらいました。本審査(プレゼンテーション)および弁理士事務所による先行事例調査の結果を総合的に判断し、発明大賞1件、産学協創推進本部長賞1件、生産技術研究所長賞1件、アイデア賞1件、さらに奨励賞3件の受賞が決まりました。発明大賞を受賞した「体内埋込式人工腎臓」は、透析膜に変わる新しい体内埋込式人工腎臓に関するものであり、人工透析患者の負担を大きく軽減する社会的な意義が認められての受賞となりました。産学協創推進本部長賞を獲得した「CMOSを用いたポータブル匂いセンサー」は、匂いという感覚情報を光に変換・増幅してイメージセンサで検知するという手法の斬新さが認められました。生産技術研究所長賞の「前方光散乱を用いたin-situ液滴径測定装置」は、新しいアルゴリズムにより高精度の測定が短時間で実行できる有用性の高さが評価されました。アイデア賞の「外形骨格の反発性を活用したロボットの関節制御技術」は、素材のもつ反発性を利用した新しい関節の発明であり、駆動モータの数を減らすなどコスト削減が見込める技術です。また、奨励賞の「超常磁性ナノ粒子を用いた書き込み可能なツイストボール式電子ペーパー」、「MOSFET構造を持つ高感度タクタイルセンサ」、「複数または単一ナノ粒子を利用した光学的および電気化学的なマルチセンシング」はそれぞれ実験の結果を伴う発表でいずれも甲乙つけがたく、奨励賞とさせていただきました。

表彰式

日時 2017年2月22日(水) 16:30-17:20
場所 総合研究実験棟 中セミナー室1 (東京大学駒場Ⅱリサーチキャンパス内)
式次第
  • 所長挨拶・・・藤井 輝夫 (東京大学生産技術研究所長)
  • 来賓挨拶・・・渡部 俊也 (東京大学産学協創推進本部長)
  • 来賓挨拶・・・三尾 美枝子 (東京大学産学協創推進本部 知的財産部長)
  • 表彰
  • 審査委員長講評・・・鹿園 直毅 (東京大学教授・東京大学生産技術研究所産学連携委員長)
  • 受賞者代表挨拶・・・有吉 洸希 (発明大賞受賞者)
  • 記念撮影

受賞者には金一封、表彰状が贈呈されました。

表彰式の様子


司会を務めた砂田祐輔准教授

藤井輝夫所長挨拶

表彰式全景

渡部俊也本部長ご挨拶

渡部俊也本部長ご挨拶

三尾美枝子部長ご挨拶

三尾美枝子部長ご挨拶

鹿園直毅委員長(右)から賞状を受け取る有吉洸希君(左)

渡部俊也本部長(右)から賞状を受け取る平田優介君(左)

藤井輝夫所長(右)から賞状を受け取る早川大智君(左)

鹿園直毅委員長(右)から賞状を受け取る西山浩平君(左)

鹿園直毅委員長(右)から賞状を受け取る駒崎友亮君(左)

鹿園直毅委員長(右)から賞状を受け取る山田駿介君(左)

鹿園直毅委員長(右)から賞状を受け取る秋吉一孝君(左)

鹿園直毅委員長による講評

有吉洸希君による受賞者代表挨拶

集合写真

受賞者の声

受賞者リストはこちらをご覧ください。また、表彰状については、クリックすると大きな画像が表示されます。

発明大賞
有吉 洸希 (医学系研究科 生体物理医学専攻 博士課程)
「体内埋込式人工腎臓」

この度は、東京大学発明コンテスト、発明大賞の栄誉を賜り、誠に光栄に存じます。まず、本発明を高く評価して頂いた審査関係者の皆様、研究室の皆様に深く感謝御礼申し上げます。

本発明は、私が初めて、自らアイディアを考え、自分の好きなように研究を進めたものであります。アイディアを評価していただけた喜びと、研究の楽しさをあらためて実感しております。また、本発明を待っている世界中260万人の慢性腎不全患者のために、頂戴しました賞を励みとして、今後も研究活動に、そして技術の具現化に、より一層精進してまいります。

最後に、コンテストの場を提供して頂いた東京大学生産技術研究所産学連携委員会・東京大学産学協創推進本部・生産技術研究奨励会の皆様に、心から御礼申し上げます。

産学協創推進本部長賞
平田 優介 (総合文化研究科 広域科学・生命環境科学系専攻 修士課程)
「CMOSを用いたポータブル匂いセンサー」

この度は、産学協創推進本部長賞という身に余る賞をいただき、大変光栄に思っております。評価していただきました、発明コンテスト審査員の先生方ならびに運営スタッフの方々にお礼申し上げます。また、親身になってご指導いただいた竹内昌治教授、森本雄矢助教をはじめとする研究室の皆様に感謝しております。

今回応募した発明は、匂いに対する細胞の微弱なシグナルを増強することで、CMOSのような小型センサーでも検出可能にし、持ち運び可能な匂いセンサーを作製する方法です。

本コンテストの応募にあたって、普段あまり意識することのない、自分の研究の社会的背景や産業への応用性を考えることが出来ました。この視点は、研究者に今まさに求められているものだということを考えると、大変良い機会を頂きました。今回いただいた賞を励みとし、社会への有用性という大きな視点を忘れることなくさらに研究を進めて参りたいと思っております。

生産技術研究所長賞
早川 大智 (工学系研究科 物理工学専攻 修士課程)
「前方光散乱を用いたin-situ液滴径測定装置」

この度は生産技術研究所長賞という素晴らしい賞を頂き、大変光栄に思います。

本発明は細胞程度の小さな液滴や粒子の大きさを正確に測定するための光散乱手法になります。私は修士課程における研究の一つとしてこれに取り組んでおりましたが、なかなか結果を出せず苦しい時期がありました。そんなある日、光散乱の数値計算の結果を眺めていたところ、ふとその驚くべき周期性に気づき、これをうまく利用することで液滴径測定手法として大成させることができました。このような苦労を乗り越えて得られた研究成果を評価していただき非常にうれしく思います。

また、この発見を発明としてアピールすることは非常に良い経験になりました。本手法の利便性や可能性、新規性を再度明確にしていく中で、発明と研究の違いを考える良い機会になっただけでなく、自分自身の研究の価値を再認識させられました。

このような機会を提供していただいた発明コンテスト関係者の皆様、そして研究の指導をしていただいた研究室の先生をはじめ構成の皆様に厚く御礼申し上げます。

奨励賞
駒崎 友亮 (新領域創成科学研究科 人間環境学専攻 博士課程)
「超常磁性ナノ粒子を用いた書き込み可能なツイストボール式電子ペーパー」

この度は第11回東京大学学生発明コンテスト奨励賞を賜り、大変嬉しく思っております。審査員の先生方や関係者の皆様に厚く御礼申し上げます。

今回の発明は、直接書き込みのできる省電力ディスプレイに関するものです。簡単に言えば、磁石を使って絵を描き、レバーを操作してすぐに消去ができる子供のおもちゃがありますが、それにディスプレイとしての機能を追加したようなものです。自ら光を発しない反射型のディスプレイであるため非常に省電力であり、単純な構造から大画面を安価に作製することが可能となっています。このディスプレイを応用することで、現在市販されている製品よりも大型かつ省電力な電子黒板を安価に製造できると期待でき、教育のICT化に貢献できると考えております。発想としては非常に単純なものですが、実際の開発には多くの困難があり、研究室の方々をはじめ多くの人に支えられて開発を行うことができました。この場をお借りして改めて御礼申し上げます。

今回のコンテストは、大学での研究成果を実際にどのように社会に活かすか、ということを考える良い機会となり、私にとって非常に有意義なものでした。今後もこれに満足せず、更に研究活動を続けていきたいと思います。

奨励賞
秋吉 一孝 (工学系研究科 応用化学専攻 博士課程)
「複数または単一ナノ粒子を利用した光学的および電気化学的なマルチセンシング」

この度、第11回東京大学学生発明コンテストにて、奨励賞を賜ることができ大変光栄に思います。本発明を評価していただいた発明コンテスト関係者各位、またご指導いただきました立間徹教授や研究室の皆様方に、この場を借りて厚く御礼申し上げます。

本発明は、異なるピーク位置にプラズモン共鳴波長を示す金属ナノ粒子を利用した新規マルチセンサです。血液中の糖やアミノ酸などの基質、タンパク質などの抗原や抗体、DNAやウイルスなどといった複数の検出対象を、一度にリアルタイムでかつ簡便に検出できる方法を考案しました。複数の検出器も不要なため、コスト削減が期待できます。

この発明コンテストをきっかけに、新たに発見した研究内容を「論文」以外の「特許」という形で報告する意義を改めて認識できました。

今後とも、この賞を励みとして研究活動に邁進したいと思います。また、その過程で発明した技術や手法を、いずれ実用化し、多くの方に使っていただくことで、社会に貢献できるようになりたいと考えております。

東京大学学生発明コンテスト
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