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第2回東京大学学生発明コンテスト

ポスター

第2回東京大学学生発明コンテストポスター

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審査結果・講評

審査結果概要

第2回 東京大学学生発明コンテストには22件の応募がありました。まず、書類選考により、応募された22件を12件に絞り込み、その後、プレゼンテーション審査により、秀賞3件、アイデア賞3件、奨励賞6件を選定しました。

審査委員長講評

昨年度の第1回東京大学学生発明コンテストで既に優秀な発明が出揃ってしまった感があり、今回のコンテストでは応募件数の減少が予想されましたが、最終的には前回を2件上回る22件もの応募がありましたので、東大生の発明に対する意識の高さを感じました。

発明の内容については、日用品から研究に関するものまで、実に幅広い分野からの応募がありましたが、昨年度に比べると若干研究に関するものの方が多く応募されていました。研究に関する発明を応募する場合は、研究と発明の違いを意識する必要があるため、そのような観点で自分の研究を見直す良い機会となったのではないかと思います。

本コンテストはジャンルを問わないだけでなく、アイデアのみでも応募可能であるという特徴があります。今後は理系だけでなく文系の学生も積極的に応募するようなコンテストに発展することを願っています。

概況

1月7日(金)、東京大学山上会館にて「第2回東京大学学生発明コンテスト」の表彰式が行われた。このコンテストは、学生が発明や知的財産権に対する理解を深めることを目的に、生産技術研究所・産学連携委員会(委員長:畑中研一教授)と財団法人生産技術研究奨励会(TLO)の主催で企画されたもので、東京大学の学生を対象に昨年7月1日から同9月15日まで応募を受け付けた。昨年度の第1回コンテストで極めて優秀な発明が出揃った感があり、応募件数の減少も懸念されたが、最終的には前回を2件上回る22件の応募があった。応募案件は、発明の完成度や斬新さなどを基準に書類審査を行い、12件を本審査の対象とした。

本審査は11月27日(土)に行われ、発明者の学生によるプレゼンテーションに対する質疑応答の後、発明の新規性・新鮮さ・着想や産業財産権としての価値、技術レベルなどを基準に選考が行われた。本審査においては、先行技術との差異を明確に示しているかなど、プレゼンテーションの質評価の対象とし、さらに発明者が行っている研究に関連する発明については工業的価値や実現可能性を重視し、日用品および自らの研究とは無関係な発明についてはアイデアの斬新さを重視して選考を行った。本審査は、大学の教員だけでなく、弁理士、TLO職員をはじめとする知的財産を取り扱う専門家の協力のもと、優秀賞(3件)、アイデア賞(3件)、奨励賞(6件)の授与候補者が選ばれた。

表彰式は、1月7日(金) 16:00から東京大学山上会館において行われ、西尾茂文生産技術研究所長による挨拶、石川正俊副学長・産学連携本部長による来賓のご挨拶の後、受賞者に対して各賞に対する表彰状、楯、副賞が贈呈された。優秀賞は、「自転車スタンドロック」を発明した大学院工学系研究科システム量子工学専攻・修士2年の大久保康平君、「よく知られた医薬品を用いた金のナノめっき技術」を発明した工学系研究科電子工学専攻・博士2年の梅野顕憲君および「病気原因物質除去フィルター」を発明した工学系研究科化学生命工学専攻・博士2年の宮川淳君に授与された。第1回コンテストでは大学の研究に関するものだけでなく、日常生活から生まれた「学生らしい発明」も多かったが、今回は下記の受賞者一覧に示すように、自らの研究に関係するものが多く見られた。表彰後、畑中研一審査委員長により発明に対する講評が述べられ、続いて受賞者を代表して大久保康平君、梅野顕憲君が挨拶をし、記念撮影の後、記者会見および懇談会が行われた。

本コンテストは通常の発明コンテストとは異なり、アイデアのみでの応募が可能なため、文科系の学生でも十分応募が可能であるが、今回も理科系の大学院生による応募、しかも自らの研究に関連するものが多かった。本コンテストは、柔軟な思考を持つ学生が自らの発明を文書化してアピールし、かつ権利主張を行うトレーニングの機会を与える「教育プログラム」として企画されているため、今後は文科系理科系を問わず学部学生からの積極的な応募を期待している。また、応募された発明の中から特に優秀な発明に対しては、財団法人生産技術研究奨励会(TLO)が特許出願のサポートも行う予定である。

今回の発明コンテストは、昨年度行われた第1回コンテストのノウハウを元に行われただけでなく、産学連携委員会の教員と事務職員、さらには生産技術研究奨励会の職員が一致団結して取り組んだため、コンテストの運営はスムーズに行われた。また、発明に対する評価や先行事例の調査などは、特許を扱う専門家の多大な支援を受けながら遂行された。第1回、第2回ともに優れた発明が数多く集まり成功裏に終ったが、将来的には「発明コンテスト」がより多くの学部学生が応募する全学的な行事に発展することを期待している。

表彰式

第2回東京大学学生発明コンテストの授賞式が2005年1月7日(金)に行われました。西尾茂文東京大学生産技術研究所長、石川正俊東京大学副学長・産学連携本部長も参加されました。

日時 2005年1月7日(金) 16:00-17:00
場所 東京大学 山上会館
式次第
  • 所長挨拶・・・西尾 茂文 (東京大学生産技術研究所長)
  • 来賓挨拶・・・石川 正俊 (東京大学副学長・産学連携本部長)
  • 表彰
  • 審査委員長講評・・・畑中 研一 (東京大学教授)
  • 受賞者代表挨拶・・・大久保 康平 (優秀賞受賞者)、梅野 顕憲(優秀賞受賞者)
  • 記念撮影・記者会見

優秀賞・アイデア賞・奨励賞受賞者には金一封と、表彰状、楯が贈呈されました。

受賞者の声

盾と賞状については、クリックすると大きな画像が表示されます。

優秀賞
大久保 康平 (工学系研究科 システム量子工学専攻 修士2年)
「自転車スタンドロック」

"If it can be imagined, it is real." -David Copperfield-

何度か日本公演もしている世界的マジシャンの言葉です。手品師は、人に驚きを与えるために、誰も思いつかないことをまず思いつかなければなりません。そして次に、それを実現するために長い長い思考と試行の道筋を辿らなければなりません。

いかに無茶な現象でも、じっくりと根気強く考え、練り上げ続ければなんらかの実現手段が必ず見つかる、と彼は言います。

前回も今回も、僕の受賞アイデアはとても身近な要求から出発していますが、それをじっくりと暖め、無駄を省きつつ付加価値を与え、練り上げていきました。そうやって小さなアイデアを自分の中で育てあげることが、発明ということだと思います。

優秀賞
梅野 顕憲 (工学系研究科電子工学専攻・博士2年)
「よく知られた医薬品を用いた金のナノめっき技術」

この度の発明コンテストは、普段の研究を、発明としての観点から顧みる機会となりました。応募していなければ、このような視点で自分の研究を見つめ直すことには至らなかったと思います。本コンテストを企画、開催してくださいました関係の先生方には大変感謝申し上げます。

今回のコンテストで印象に残ったのは、懇親会での弁理士の先生からのお話でした。「知財は権利化するだけでは半分、実施し社会に貢献してこそ100%の意味を持つものである」。これまで、天然資源の小国であった日本は知財の輸出という形で国際社会に貢献するという側面を持っていたと思います。そのような環境で学んだ学生として、今後ともこの言葉を忘れないようにしていきたいと思います。最後に、審査ご指導下さいました先生方に改めて感謝申し上げます。ありがとうございました。

優秀賞
宮川 淳 (工学系研究科 化学生命工学専攻 博士2年)
「病気原因物質除去フィルター」

私は実験を見返す中で、より簡便な装置を作れないかと考えていました。そのときに、今回、発明コンテストに応募したアイディアを思いつき、簡単な実験をいくつか行い、有用性を確認できました。これは、一つの研究の種から、いくつものアイディアを生み出せる事を実感できるいい経験になりました。そして、提出書類やプレゼンテーションで、学会発表とは異なる雰囲気を感じる事ができ、大変面白く思いました。これから研究を行う際にも、既存のものに取って代わるような画期的な研究を行えるように面白いアイディアを意識していきたいと考えています。優秀賞に選んでいただき、ありがとうございました。

アイデア賞
石田 忠 (工学系研究科 電気工学専攻 修士2年)
「葉緑体太陽電池-生態系をマイクロチャンバに-」

発明コンテストは自分がこんなものがあったらいいなぁと思ったものを気楽に出すコンテストだと思います。極端な話がタケコプターがほしいなぁと思って、お!いいんじゃない?っていう自分勝手なアイデアを思いついたとします。そのアイデアを出せることがいいことだと思います。そういうアイデアっていうのものは思いついても実現させようとか思う前にあきらめてしまいがちですが、気軽な感じで賞金もついてくるってなると出してみよっかなってなるわけです。ダイヤモンドの原石が見つかるかもしれません。私は工学部ですが、そうじゃない人のほうが新しい視点で自分の生活に密着した世界初を思いつくと思います。そんな大したアイデアが出てこなくても普段の日常から少し抜け出せるので楽しいですよ。時間があればお勧めします。

アイデア賞
倉田 憲一 (工学系研究科 先端学際工学専攻 博士2年)
「超並列メモリ」
アイデア賞
Kevin Yim (工学系研究科 建築学専攻 博士3年)
本間 健太郎 (工学系研究科 建築学専攻 修士1年)
「Kenaf Glass ケナフを用いた低環境負荷の半透明板材」
奨励賞
渡部 喬光 (医学部医学科・4年)
「iDrop」
奨励賞
藤本 裕 (工学系研究科 精密機械工学専攻 修士2年)
「シート型骨伝導スピーカー」
奨励賞
竹田 修 (工学系研究科 マテリアル工学専攻 博士1年)
「衣料用減圧乾燥機」

昨年に引き続き発明コンテストに参加させていただき、そのうえ奨励賞にお選びいただきまして、本当にありがとうございました。さて、先日、中村修二さんと日亜化学の和解が成立したとの話もあり、日本の社会全体で発明者と特許のあり方等、議論が盛り上がりつつあり良い傾向だと思われます。とはいえ、日本がこれからまず目指すべきは、優れた発明者が出てくるような土壌を育てること、つまり技術的なことだけではなくて野球少年がイチローにあこがれるように人が発明に夢を持てるような雰囲気を作り上げてゆくことではないかと思います。このコンテストの合間に、汗だくになりながら一生懸命工作をした昔の自分をふと思い出し、そんな雑感を持ちました。この受賞を契機に、また新たな気持ちで新鮮な発想をすべく頑張ってゆきたいと思います。このたびは本当にありがとうございました。

奨励賞
山脇 正人 (工学系研究科 システム量子工学専攻 博士1年)
「光ファイバリング型陽電子放射断層撮像装置」
奨励賞
才田 大輔 (工学系研究科 電子工学専攻 博士2年)
「微小領域コーティング技術」

第1回発明コンテストの参加以来,日頃の研究活動の中で「何か面白い発明になり得るものはないだろうか?」と考える習慣がつきました。その中から生まれたアイディアを再び評価していただけたことに感謝します。今回,応募した発明に関して「どのように活用できるか」,「どこまで権利を請求できるか」ということを深く検討しました.その結果,発明が活用できそうな場面を想定できた一方で,先行特許が如何に巧妙に権利を主張しているかが前回よりも身に沁みて感じられるようになりました。知的財産の創出の場としてだけでなく,権利を主張する方法が学べる場として,当コンテストが在り続け発展していくことを期待しています。

奨励賞
金田 尚志 (工学系研究科社会基盤学専攻・博士3年)
「分光技術を用いたコンクリート構造物の新しい調査・検査方法」

奨励賞をいただき,大変嬉しく思います。この発明は博士課程の研究の一環でありますが,手をつけた当初は,本当に実現可能なのか大変不安でした。本発明は,アイデアというよりも,地道な実験の繰り返し,失敗,それらの経験によって生みだされたものです。成功した瞬間は,今までの辛い道のりが実ってよかったと実感いたしました。 この発明は,コンクリート分野以外にも適用可能ですので,社会の利益につながるように利用されれば幸いです。最後に,この発明に対して,協力していただいた皆様に感謝の意を表しまして,受賞者の声とさせていただきます。 最後に、本発明並びに審査に関しましてご尽力を賜りました方々に熱くお礼を申し上げます。本当にありがとうございました。

東京大学学生発明コンテスト
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